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マイノリティは「ふつうの人」

私は、北欧に住んでいたことがあります。つい最近のことです。

日本人のイメージ通り、北欧は人権に関してかなり進んだ考えを持っています。では彼らはLGBTや障害者、シングルマザーなどのマイノリティを、手厚く保護しているのか? と聞かれると、住んでたものの感覚からして「NO」です。

「それでは人権に関して進んでいないではないか」とおっしゃる人もいらっしゃるかもしれません。しかしそれは違います。彼らはマイノリティを「手厚く保護」しているのではなく、「ふつうに扱って」いるのです。

彼らは、教育でマイノリティが「ふつうの人」だと教わります。「自分とは違うけど、そういう人もいる」という感覚を教育で身につけます。そこには差別も優遇もありません。「鼻の高さが違う」「髪の長さが違う」などと同じ程度の「違い」であって、差別する理由も、優遇する理由もないのです。

したがって、教育でも、仕事でも、社会保障でも、あらゆる意味で彼らは「ふつう」に扱われます。もちろん車椅子の障害者などには特別な支援金が給付されますが、それは歩ける人より生活にコストがかかるから、という合理的かつ納得できる理由に基づくものです。そのような理由がないマイノリティには給付金はありません。

人の接し方もふつうです。私はスーパーで車椅子の人に「そこの棚にあるものを取ってくれませんか」と言われたことがあります。車椅子の人には高すぎて取れない。私なら取れる。だから彼女は私に頼みました。とても自然な、挨拶するかのような頼み方で、私も自然に対応することができました。

彼女は「ありがとう」と言って去っていきました。私は移民で、現地の言葉は喋れない(英語が通じるので英語を使っていました)、「マイノリティ」です。それでも彼女は私を「ふつう」として扱い、私も彼女を「ふつう」として扱ったのです。

これが日本との致命的な違いです。日本は教育でマイノリティ教育をしません。なので、「よくわからない」「臭いものには蓋をしたほうがいいのでは」のような考え方をします。「ポリコレ棒で殴られる」と恐れたりもします。

この記事にある通り、差別とは表現などの具体的な行動に移さないこと=「ふつう」に扱うことです。

私はこれまで、マイノリティの方を差別も優遇もしたことはないし、今後もするつもりはありません。彼らは「ふつう」の人たちなので、「ふつう」に扱い、同じように自分の善意を奮って精子提供をしていきます。

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